鼠島(ねずみじま)とは
加藤水産の牡蠣筏の沖にある小さな無人島。
まるでお椀を伏せたような形は、まるで鼠がうずくまったよう。
それで、鼠島と呼ぶようになったとか・・・。
牛窓で語り継がれるお話です。
それでは、始まり始まり・・・。
鼠島(ねずみじま)の柄杓(ひしゃく)
その昔、牛窓の漁師は、漁の途中に飲み水が切れると、鼠島の泉で水を飲んでいたそうです。
その泉は、一面矢竹で覆われた鼠島の頂上の3本の松に囲まれたところにありました。
小さな泉ですが、雨が降らない日が続いても、年中枯れることはない、不思議な泉でした。
ある日、漁に出た漁師は驚くほどの大漁に会います。
夢中で漁をしていた漁師は、のどが渇き、いつものように鼠島に上がり、泉の水をたっぷり飲んでいました。
ふと見ると、泉の向こうに真新しい柄杓があるではありませんか。
漁師は、「何かの役にたつだろう」と柄杓を船に積んで持って帰ろうとしました。
少し漕ぎ出してみると、とたんに空は暗くなり、雨が降りだし、風が吹き、大きな波が立ち始めました。
必死で櫓をこぐのですが、船は進まず、雨は容赦なく船にたまって行きます。
漁師は、こぐ手を止め、泉のところから持ってきた柄杓を手に取り、腹ばいになって一心に水をかきだし始めました。
でも、水は全然減りません。
不思議に思い頭を上げると、ずぶ濡れの白衣の女が、髪をかき乱しながら、柄杓で船に水を入れているではありませんか。
漁師は怖くなり、念仏を唱え、必死で船をこぎ逃げようとしますが、そのうち気を失ってしまいました。
翌日、運よく近くを通る船に発見され助けられた漁師は、目を覚ますまでに幾日もかかりました。
そんなことがあってから、鼠島の泉で水を飲んだ時には、お礼に柄杓を供えるようになったそうです。
https://www.city.setouchi.lg.jp/uploaded/attachment/104871.pdf
広報せとうち平成24(2012)年4月号(第89号)瀬戸内発見伝 地域に残る昔話③ 「鼠島の柄杓」を参考として、再編成しました
加藤水産の牛窓牡蠣(カキ)の筏
鼠島の周辺は穏やかな海域ですが、海底は変化に富んだ岩礁帯でもあります。
そのため、潮通しが良く、複雑な潮流は、牡蠣の育成に最適です。
加藤水産の牛窓牡蠣(カキ)は、この海域で、すくすくのびのび成長してています。
癖がなく爽やかで濃厚なうまみとまろやかな甘み。
牛窓牡蠣(カキ)は、こんなところで育っています。